松尾芭蕉全句集 現代語訳付き 角川ソフィア文庫
「松尾芭蕉全句集」の現代語訳がついているという、本の中から一句選んでみました。一句選んでみましたって言いながらなんだか博物館のガラス戸を特別に開ける担当者になった気分です。
なんていっても俳句っていったら松尾芭蕉さんを最初に思い浮かべますから。ものすごくよく知っていないのに俳句の人で松尾芭蕉さんというのだけは知ってるというというわけです。
でもね、ここだけの話なんですけど俳句を好きな方はなんだかとても俳句の世界も詳しい人が多い印象があるんですよね。古文の細かい文法のことをうかがったときも、ぱぱぱぱぱぱっと教えてくださる方などもいて。
高校の時の古文の時間にもどったような気分になりました。でも、やはり国語の古文の時間ではないので自分なりにわかっていこうとする姿勢はなくさないとねと思いながら。
俳句ってなんだろうって興味がわいてきているときなので、これからちょこちょこと松尾芭蕉さんの全句集なるものを見ていきたいと思っています。
松尾芭蕉さんの俳句「梅が香やしららおちくぼ京太郎」
梅が香やしららおちくぼ京太郎
松尾芭蕉
どうでしょうね、俳句の作り自体はさっぱりとしているように思えます。
でも、しららや京太郎がわからないので何かしらと思いますけど、ここはなんとなくわかる単語から推理はできるでしょうか。おちくぼというのは、落窪物語かな、、、チーンここら辺から何もでてきません。
京太郎ってどなたなんでしょう、、落窪物語にでてくる人の名前かな。
京太郎ときいて、京極夏彦さんのような、小説家でしょうか。(京の一文字しか同じでないですけれどね)
しららというのは「白っぽい」という意味のお菓子があったりするので白い何か、例えば梅の花には様々な色がありますが、白い梅のかおりがしていたので「しらら」と使ったのかなとか。香りが漂う様子のことをしららと表現しているのでしょうか。きれいな響きの言葉です。
もうオンライン上にあるので、気になることがあったら片っ端から調べられるのは便利です。ささっと該当箇所に当たらないこともありますけど、調べ方を変えたらいいかもしれないですけどね。
俳句の解説を見てみました。
俳句の下敷きになっている浄瑠璃を少しだけ聞いてみる、この一句の下敷きには、浄瑠璃『十二段草子』「姿見」の中にでてくる表現を踏まえて作られていると解説にある。
浄瑠璃、、イメージが全くわいてこないので浄瑠璃を聞いてみましょう
こちらの浄瑠璃は、十二段草子ではないですけれど。
令和2年度説経浄瑠璃鑑賞会「葛の葉より 子別れの段」の収録動画です。
一人で歌われているのが不思議なくらい声が豊かで、三味線の音がなんとも言えなくてひきつけられてしまいました。
現代語訳 梅の香りが漂う中に「しらら」「落窪物語」「京太郎物語」を読み耽る姫君の姿が見えるようだ。
芭蕉全句集 現代語訳付き(角川ソフィア文庫)より
解説の中には「姫君」の姿が見えるようとありますが、たぶん、浄瑠璃の中の情景に姫君がでてきたのでしょうか。
梅の香りとその当時人気のあった本の名前がいくつか挙げられているというところから、読み手は「梅の香り」で姫君というのが連想もできるかもしれません。お雛祭りでも梅の花を一緒に飾ったりすることありますね。
残念なことに、この句に登場する「しらら」というのは今はもう残っていないそうです。しららってどういう意味なんでしょうか、気になります。
俳句の解説にでてきた意味を深掘る
それから、「落窪物語」は継母にいじめられている姫君が侍女の力を借りながら素敵な殿方に助けられて幸せになるという話。
「京太郎物語」はこちらのリンクから詳しい話を知ることができます。
https://okiu1972.repo.nii.ac.jp/record/1172/files/03886484_10_hamanaka_osamu.pdf
京太郎物語はざっとまとめるとこんなお話し。
ある時代の皇太子が地方からきていた勤め人の娘が美しいと聞き、身分を隠してその土地を訪れ、紆余曲折してその娘と意気投合し身分がばれて結婚、娘の出産、そこにお寺を建立して子孫は繁栄した。
なんでしょうね、現代の女性が夢中になっているラブストーリーといったら、ディズニープリンセス系から、韓流ドラマ、映画などでしょうか。時代が変わっても人の心を夢中にさせる物語はあるのですね。
江戸時代の人に現代の劇画ばんの草紙ですといってみたい
今の日本の大人から孫の世代までよく見る、お話しには宮崎駿さんのアニメがあります。天空の城ラピュタやもののけ姫もいわゆるプリンス&プリンセスストーリーの一つではないでしょうか。
音楽とストーリーが一体になっているというところでは浄瑠璃と通じる点があるとおもいました。懐かしいけれどいつみても新しさを感じる一作です。
最新の宮崎駿さんの作品の曲はこちら、米津玄師さんの曲。
まだ見たことのないディズニープリンセス系たくさんあるけど、こういう歌と音楽とストーリーが一体になっているのは浄瑠璃に通じるものがあるかも。
MoanaのSing-Alongのシリーズをみていたら、よちよち歩きの時のMOANAが海鳥に食べられそうになっている子亀を助けるという場面がありました。これは、、もしや浦島太郎。
こちらに紹介してある動画はディズニーの動画なのですが、ウェブサイトからみると黒い■になってしまっていてでもクリックするとディズニーの曲がきけます。とってもいい曲です。”How Far I’ll Go”
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